寻找少年村上春树之6–甲陽学院

甲陽学院と村上千秋教諭
 甲陽学院は、大正時代に創立された、西宮の酒造家・辰馬家の援助を得て創設された財団法人辰馬学院甲陽中学校に始まる中高一貫校である。
  甲陽学院中学校
甲陽学院と村上千秋教諭
村上千秋先生
村上春樹の父にあたる村上千秋という人(昨年8月に死去)は、甲陽学院(中高6年制、西宮市)の国語の教諭であった。なかでも古文が専門だったように記憶する。私たちの学年の担任ではなかったが、夏期講座などで授業を受ける機会があり、奇をてらわぬ、自然体の、オーソドックスな講義であった。雑談ふうの話も少なくなく、生徒に話しかけてくるような親しみやすい口調だった。お酒が好きで、大の阪神タイガースファンでもあった。昨年のタイガースは、最後はジャイアンツにひっくり返されてしまったが、首位を突っ走っている頃に他界されたのが、まだしもの幸せであったという人もいる。
私が、1980年代半ばから、新聞や雑誌などに、子息である村上春樹の文学について書くようになると、しばしば丁重な葉書をいただいて、恐縮した。『ノルウェイの森』について日本経済新聞に書いた折に頂戴した「息子の文学を深く理解してくれて、有難う」といった文面には、冷汗が出たものである。芦屋市立図書館で阪神間の文学について講演した時は、最前列に座って、耳を傾けておられた。
(河内厚郎)
(エルサレム賞スピーチ)
私の父は昨年、90歳で亡くなりました。彼は引退した教師であり、パートタイムの僧侶でもありました。父は大学院在学中に徴兵されて陸軍に入り、中国での戦闘に参加させられました。戦後生まれの子供だった私は、父が毎日、朝食前に我が家の仏壇に向かい、長く深い祈りをささげているのをよく見たものです。ある時、私がなぜそんなことをするのかと聞くと、父は、戦場で死んだ人たちのために祈っているんだと話しました。父は、敵も味方もなく、すべての死者のために祈っていると言いました。仏壇の前にひざまずいた父の背中を見つめながら、私は父の周りに漂う死の影を感じていたような気がします。
私の父は死にました。父は、私が決して知ることのできない記憶も持っていってしまいました。しかし、父の周りに潜んでいた死の気配は、私自身の記憶の中にとどまっています。それは、私が父から受け継いだ数少ないものの一つ、そして最も重要なものの一つです。

My father died last year at the age of ninety. He was a retired teacher and a part-time Buddhist priest. When he was in graduate school, he was drafted into the army and sent to fight in China. As a child born after the war, I used to see him every morning before breakfast offering up long, deeply-felt prayers at the Buddhist altar in our house. One time I asked him why he did this, and he told me he was praying for the people who had died in the battlefield. He was praying for all the people who died, he said, both ally and enemy alike. Staring at his back as he knelt at the altar, I seemed to feel the shadow of death hovering around him.My father died, and with him he took his memories, memories that I can never know. But the presence of death that lurked about him remains in my own memory. It is one of the few things I carry on from him, and one of the most important.

関連リンク 「河内厚郎の見巧者列伝」
村上春樹と日本文学
 村上龍との対談集『ウォーク・ドント・ラン』において、村上春樹の口から、彼が両親から受けた、日本の古典文学の影響が語られているが、この中で、村上春樹は、多くの古典文学を今でも暗誦できると言っている。最新作、1Q84において、ふかえりが、”空気さなぎ”で新人賞をとり、その記者会見の席で自分の好きな文学として平家物語の「壇ノ浦合戦」を滔々と暗唱する箇所があるが、村上春樹が『ウォーク・ドント・ラン』で語っていることと、1Q84のこの場面が重なってしまうのである。ノーベル文学賞を受賞したら、村上春樹がその会場で、平家物語を暗誦することはないだろうが、彼の作品を語るのに、アメリカ文学だけではなく、日本の古典文学との深い関係を見過ごすわけにはいかないことだけは確かである。(1Q84)
「好きな作品は?」という質問に対して、彼女はもちろん『平家物語』と答えた。『平家物語』のどの部分がいちばん好きかと質問した記者がいた。彼女は好きな部分を暗唱した。長い暗唱が終わるまでにおおよそ五分かかった。そこの居合わせた全員が深く感心して、暗唱が終わったあとしばらく沈黙があった。ありがたいことに(というべきだろう)好きな音楽について質問した記者はいなかった。
 


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