アカ、アオ、シロ、クロの世界

村上春樹氏の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)を一気に読んだ。その最大の特徴は、多崎つくるの「色彩」を、最後まで明かさなかったこと。これは、いわば「読者への挑戦」である。私は、「色彩の謎」を解き得たと確信している。
物語の原点となる舞台は、名古屋の高校に通う五人の同級生がつくる、居心地のいいコミュニティである。
 赤松慶─アカ、男性。  青海悦夫─アオ、男性。  白根柚木─シロ、女性。  黒埜恵里─クロ、女性。  多崎つくる─色彩を持たない、男性。
 アカ、アオ、シロ、クロ。そして、色彩を持たない多崎つくる。この五人のコミュニティをうまく動かすためには、多崎つくるは、本来、「ある色彩」を持たなければならない。
 色彩にはいろいろなグループ分けがある。  一。光の三原色。赤、青、緑。  二。古代日本の四原色。赤、黒、白、青。    それぞれ「明」「暗」「顕」「漠」を意味する。  三。五色。赤、青、黄、白、黒。    これには、陰陽五行説の五色と、仏教の五色がある。  四。虹の七色。赤、橙、黄、緑、青、藍、菫(紫)。
 これを、「アカ、アオ、シロ、クロ、多崎つくる」と比較すると、多崎つくるが持つ色彩の候補は、「五色」のうち「黄(キ)」に絞られる。
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